アメリカ人アーティスト、ジョン・バルデッサリ（John Baldessari）の作品集。現代美術ギャラリー「シュプルース・マーガー（Sprüth Magers）」が持つロンドンとベルリンのスペースで2024年に開催した展覧会に伴い刊行された。1992年に作者は、ル・コルビュジエ（Le Corbusier）がインドのアーメダバードに作った「サラバイ邸」に招かれた。そこで滞在制作したミクストメディアのアッサンブラージュ・シリーズを紹介する一冊である。

作者はその多作かつインパクトの強いキャリアを通じ、一貫して芸術における我々の認識に影響を及ぼすような意表を突き、挑み続けてきた。絵画、写真、資料、文章といった領域における他に類を見ない作者の方法論は、従来の美術史上の制約を再定義し、立ち向かい、そしてそのことが作者をアメリカのコンセプチュアリズムにおける先駆者として位置づけた。広告、映画、マルセル・デュシャン（Marcel Duchamp）、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン（Ludwig Wittgenstein）をはじめとした幅広いソースを基にし、不条理主義かつ複雑でありながら触れやすい並びを創り出している。