¥ 16,500 (税込)
日本人写真家、井津建郎の作品集。
能は人の誇りと生き様を現し、どの様に生きて、どの様に死んだかを、霊魂が表現する演劇であり、そこには演奏と歌と舞によって、臨場感を表現する演出があります。人生の栄光や寂しさ、神様と仏様による救いがそこには存在します。人は生と死の不安を能を拝見することにより、癒やされました。
– 花山院弘匡(春日大社宮司)
大阪に生まれた作者は1971年に21歳で渡米、ニューヨークでスタジオを運営し、その傍ら、50年にわたって祈りや人間の尊厳をテーマに作品の制作、発表を続けてきた。アジアを中心に、中近東、ヨーロッパ、南米など世界各地の聖地、石造遺跡や建造物の撮影をし、近年はその聖地を守り続けている人々や、その心のうちにある精神美に魅了されるようになった。
本作『もののあはれ・無常の美』は三部作で構成されており、長らく世界各地を撮影してきた作者が、初めて日本国内で取り組んできたシリーズである。一つは兵庫県、丹波篠山の能楽資料館を訪ねた際に出会った数々の能面の名品がきっかけとして生まれた、能面と演能を扱う作品群「幽玄」。二つめは春日大社の若宮殿前の神楽殿で、特別な計らいにより夕刻1時間だけ撮影を許された御巫(春日大社での巫女)や、天乃石立神社の磐座など、神社周辺の環境に漂う神聖性、神域を観察して生まれた「寂び」。そして三つめは新型コロナ感染症の拡大によって世の中が封鎖されていた時期、外出を控えていた折に、それまで見過ごしていた身近の野花、野草が人知れず咲き、また枯れるその姿に生命の儚さの美を見出した「侘び」である。
幽玄、侘び、寂び、を通しての『もののあはれ』の美の表現が現在の私の仕事である。50年ぶりに戻った母国日本で、成人してから初めて触れる古くから伝わってきたその文化と美に、西洋文化の“美”とはある種別物の、日本で昔から貴ばれてきた“美”を感じて心が高鳴り, そこに『無常の美』を見て、“美”を根本的に考え直す機会となった。
-井津建郎
篠山能楽資料館館長である中西薫、春日大社宮司である花山院弘匡、そして作者自身によるエッセイを収録する。本書に収録された作品の表装、額装は中越表具の中越一成、書は書道家である仁科惠椒が手がけており、クロス装があつらえられた重厚な2冊組の作品集に仕上げられている。
日英併記。
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取り扱い | twelvebooks |
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サイズ | 30.0 x 23.0 x cm |
重量 | 1.0kg |
商品コード | 1100044930 |
出版 | NAZRAELI PRESS |
著者 | Kenro Izu |
ISBN | 9781590056189 |
配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
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送料 | ¥770(税込) |
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