坂本素行
Motoyuki Sakamoto
坂本素行は1950年東京都生まれ。70年私立育英工業高等専門学校デザイン科(現・サレジオ工業高等専門学校)を卒業後、カーデザイナーとして日産自動車に勤務。高麗青磁に魅せられたことをきっかけに陶芸を独学で始め、76年に《小紋象嵌壺》で「日本伝統工芸展」に初入選。80年に日産自動車を退職し、陶芸家の道を歩む。作品は主にコーヒーカップやポットなどのテーブルウェアを制作。素地が生乾きのうちに線を彫り、そのなかに別の色土を埋め込んでいく「象嵌技法」によって精密な文様をつくり出す。精密さや素早さも求められる高度な技法からなる作品は、「伝統工芸新作展」「中日国際展」「ファエンツァ国際陶芸展」などで受賞・入選し、高い評価を得ている。これまで、日本橋三越、名古屋松坂屋、髙島屋(東京、大阪、京都)、ギャラリー上田(東京)、黒田陶苑(東京)、壺中居(東京)、Dai Ichi Arts(ニューヨーク)などで作品を発表。著書に『糖尿病S氏の豊かな食卓』(文春文庫)がある。