河原温
On Kawara
河原温は1932年愛知県生まれ。日本を代表するコンセプチュアル・アーティストのひとり。愛知県立第八中学校(現・愛知県立刈谷高等学校)を卒業後、51年に上京。53年の第1回ニッポン展(東京都美術館)に鉛筆素描の「浴室」シリーズを出品。タイル貼りの浴室に、妊婦や人間の断片が描かれたこの作品で注目を浴びる。59年に「印刷絵画」を提唱するも、同年にメキシコに渡る。その後、65年よりニューヨークを拠点に活動を開始。66年1月4日からは単色で塗られたキャンバスに白色で制作年月日のみを描く「Date Painting」(日付絵画)の制作をスタートさせ、これはのちの代表作となった。
「日付絵画」は、その日の0時から制作を始め、その日のうちに完成させるというルールに基づきつくられたもので、完成後はその日の新聞を入れた箱に収められた。また河原はこれ以外にも「I am still alive.」(私はまだ生きている)という文面の電報を世界各地から発信するシリーズ「I AM STILL ALIVE」など、数々の代表作を残している。70~71年には100万年分の年数をタイプライターで打った書物『百万年(過去編)』を、80年には『百万年(未来編)』を限定制作した。主な個展に「河原温 連続/非連続 1963-1979」(国立国際美術館ほか、1980-81)、「河原温 全体と部分 1964-1995」(東京都現代美術館ほか、1996-98)、「On Kawara, Silence」(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、2015)。