ガブリエル・オロスコ
Gabriel Orozco
ガブリエル・オロスコは1962年メキシコ生まれ。84年メキシコ国立美術大学卒業。写真から彫刻、インスタレーション、絵画まで表現形態は多岐にわたり、見慣れた日常風景にほんの少し手を加えることで、新たな発見や思考をもたらす作品を手がけている。代表作に、既存の自動車を分割し、流線型を強調したエンジンを持たない車体につくり変えた《La DS》(1993)、マンハッタンの街のビル群とそれらを真似た木や石などの廃材を1枚の写真に収め、双方の類似性を示唆した《島の中の島》(1993)、中央に睡蓮の池が設置された、4人で遊ぶことができる卓球台をつくり、参加者に勝敗よりも楽しむことを意識させる《ピン=ポンド・テーブル》(1998)などがある。2009〜10年にかけて回顧展がニューヨーク近代美術館(MoMA)、バーゼル美術館、テート・モダン(ロンドン)などを巡回。15年に日本での初個展「ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル」が東京都現代美術館で開催された。