ソル・ルウィット
Sol LeWitt
ソル・ルウィットは1928年アメリカ・コネティカット州ハートフォード生まれ。シラキュース大学を卒業し、ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアル・アーツで美術を学ぶ。55〜56年まで建築家、I.M.ペイのもとでグラフィックデザインの仕事に就く。66年より、立方体の基本構造をシステマティックに視覚化した「シリアル・プロジェクト」シリーズを制作。翌年、『アートフォーラム』誌にてエッセイ「コンセプチュアル・アートに関する断章(パラグラフ)」を、69年には『アート&ランゲージ』誌にて「コンセプチュアル・アートのセンテンス」を発表し、芸術のもっとも重要な要素は概念であって、作品制作に伴う計画・方法・実行は形式的なものにすぎないというコンセプチュアル・アートの解釈を述べる。68年頃より、自らが関与することなく指示書によって第三者に制作を委ね、決まった長さの線を放射状に描く「ウォール・ドローイング」シリーズを展開。この手法は立体作品にも応用されている。ルウィットが同時代のアーティストと比較して特異な点は、コンセプチュアル・アートに出発し、構造面を重視するミニマル・アートの形態をとったことである。双方の特性をもついずれの作品においても一貫して根底にあるのは、作者の意図を排除し、鑑賞者に思考をもたらすことであった。2007年没。