張騰遠
Chang Teng-Yuan
張騰遠(チャン・テンユァン)は1983年台湾高雄市生まれ。2006年に国立彰化師範大学、10年に国立台南芸術大学を卒業。12年より「終末の考古学」をコンセプトに、地球滅亡後の未来の世界が舞台の絵画やアニメーションの空間インスタレーション、ミクストメディアの制作を行う。そこでは、遺跡となった現代の文明をリサーチするエイリアンや、人間を模倣しながら感情や行動の意味までは理解できないオウムなどが登場し、物事への複眼的な再考を促す独創的な物語が展開される。
13年に国立台湾美術館で個展「Unmanned Aerial Vehicle-Tate Modern after the End of the World」を開催し、16年の台北ビエンナーレなどへ参加。日本での個展「Human Being: COVID-19」(ギャラリーノマル、大阪、2020)では、新型コロナウイルス感染症の影響下にあってウェブ上で発信。翌年に同ギャラリーでの展示が実現した「NEW NORMAL」でも、パンデミックがもたらす問題について積極的に取り上げた。
また張は自ら、アート制作の支援と技術的バックアップを提供し、クロスオーバーコラボレーションに取り組む「Compound Eye ArtStudio」を設立。人々と協力し、芸術的な創作においてより大きな力を生み出すことを試みている。
近年の主な個展に、「Chang Teng Yuan Solo Exhibition」(Gallery Woo、韓国、2022)、「Multiplication」(ギャラリーノマル、大阪、2022)がある。