ギャラリー インカーブ|京都
「ギャラリー インカーブ|京都」は、「アトリエ インカーブ」で制作された作品を紹介するギャラリーとして、2010年に京都・壬生寺近くの町家を改修し、開廊。「アトリエ インカーブ」は、社会福祉法人素王会がアートスタジオ兼事業本部として02年に設立し、今年で20年目を迎えました。美術の専門性を持つスタッフが、知的に障害のあるアーティストたちの創作活動の環境を整え、彼らが作家として独立することを支援しています。国内外の美術館やギャラリーで展覧会を企画・開催し、アートフェアにも継続して出展するなど、精力的に活動を行っています。
今年の10月に開催された「TWO IRON MAN −鉄人の二人展−」(WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO)では、インカーブを牽引する作家、新木友行と寺尾勝広の初期作から最新作までを一堂に展示。創作に情熱を燃やし続ける2人の世界観を紹介するとともに、近年、精力的に活動を行う阪本剛史、塚本和行、加えて東京で初披露となる内野真行、林健太郎の最新作も展示、販売しました。このたび「OIL by 美術手帖」では、新木友行、寺尾勝広をはじめ所属作家6名の作品をご紹介。彼らの多様な表現にふれてください。
また、ギャラリー インカーブ|京都は、来年3月に開催される「アートフェア東京2023」にも出展が決定。アーティストたちの活躍にご注目ください。
所属作家紹介
作品画像をタップすると、作品の紹介ページに移動します。
新木友行
1982年生まれ。黒の繊細なラインが、無骨なファイターたちの隆々とした筋肉の動きと体のもつれを的確にとらえる。近年その対象はファイターたちにとどまらず、陸上や水泳、車椅子バスケットボールなど様々なアスリートにまで広がり、デフォルメされたその動きは躍動感が溢れる。「東京2020 オリンピック・パラリンピック公式アートポスター」のアーティストの一人に選ばれるなど国際的な評価を得ている。
《ローリングソバット》(2022)
寺尾勝広
1960年生まれ。父親が経営する鉄工所で溶接工として20年間働いた後、鉄をモチーフに制作を開始。本人が「図面」と呼ぶ緻密なドローイングには、鉄骨の柱をあらわす直線と溶接の目印をあらわす記号がひしめく。ニューヨークやシンガポールなど、海外のアートフェアにも多数出品。
《中之島タワーH柱⑦》(2012)
阪本剛史
1988年生まれ。世界遺産や日本の祭りなど、さまざまなシーンにオリジナルのキャラクターたちが登場する。細部まで精緻に描きこまれた風景に、ほのぼのとした表情の愛らしいキャラクターが登場することで、現実とファンタジーの境界が曖昧になる。毎年のように国内外のアートフェアに出品し、日本だけでなく、海外の数多くのコレクターも魅了している。
《ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア》(2021)
塚本和行
1984年生まれ。コーヒーカップや花といった具象的なモチーフを、色鉛筆でカラフルに画面いっぱいに描き連ねる。それと並行して、数字やりんごをキャラクターに仕立て、物語性のある作品も描いている。何気ない日常をおもしろおかしく、自分自身を楽しませるために画面に向かっているようにも見える。展覧会や広告のメインビジュアルに採用されるなど、キャッチーな作品群が人々の心を掴む。
《まちがいさがし621ぴきのくまからサングラスをかけていないくまをさがしてね》(2019)
内野 真行
1984年生まれ。人物や動物、架空の生きものを描く。強い目ヂカラをそなえた表情は、 歌っているようでもあり、にぎやかにおしゃべりしているようでもあり、普段の本人の姿を思い起こさせる。
《ネコ》(2021)
林 健太郎
2002年生まれ。鮮烈なペインティングから浮かび上がる緊張感のあるテクスチャ。作家自身の手によって勢いよく飛び散った絵具の痕跡が、見る者に解釈の余地を残すかのように立ち現れる。
タイトルなし(2022)
Information
「TWO IRON MAN -鉄人の二人展-」
会期:2022年10月8日~16日(※会期は終了) |