一般社団法人HAPSは、京都市にゆかりある若手アーティストの作品販売を支援するため、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」へ「HAPS KYOTO」として2022年より出店。「HAPS KYOTO」に出展される作品をオフラインで実際に鑑賞できる展覧会のシリーズ「HAPS KYOTO selection」を開催しています。本シリーズの第3回目となる今回は、場所と時間を一新し、ホールKeiryuにて開催する運びとなりました。
個展を開催するのは水木塁。都市文化に深い関心を寄せる水木は今回の作品で、若者が多く集う東西の「広場」を題材に取り、その場所に束の間刻まれた痕跡を見逃すことなく掬い上げています。混迷を深める現代を生きる若者 ーキッズの痕跡と、作者の足跡(のなさ)を明らかにする記号が多様な方法で重ね合わされたイメージ群は、そこいる/いた存在の匿名性を表すようでありながらも、その場にいた人間の存在を確かに突きつける、都市の徒花として私たちの眼前に立ち現れます。会場とオンラインともに、ぜひお楽しみください。
《若者のすべて -路上の花 021》(2023)
《若者のすべて -路上の花 022》(2023)
《若者のすべて -路上の花 035》(2023)
《若者のすべて -路上の花 033》(2023)
《若者のすべて -路上の花 034》(2023)
《若者のすべて -路上の花 008》(2023)
HAPS KYOTO
HAPSは2011年に東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)として設立され、2019年より一般社団法人HAPSとして活動するアート・インスティテューション。HAPS Office、HAPS Studio、HAPS Houseと京都市内に3ヶ所の拠点を持ち、若手芸術家の居住・制作・発表支援、文化芸術による共生社会実現など、現代美術に関わる多様なプログラムを展開。HAPS KYOTOではHAPS監修のもと、京都出身、京都を拠点として活動するアーティストを紹介。今後の飛躍が期待される若手や商業ベースに乗りにくい作家、京都のアートシーンに確かな足跡を残してきた作家をHAPS独自の視点でセレクト、その収益を作家本人ならびに今後の作家支援に還元する。
Artist Profile
水木塁
1983年生まれ。京都市立芸術大学美術学部工芸科漆工専攻卒業、同大学美術研究科メディア・アート領域博士号取得。郊外、多種性、自然、ストリートカルチャー、振る舞い、即席、移動を鍵語に、それらを都市文化と美術史上の問題に接続することで、現代都市におけるリアリズムを基にした風景・情景・身体・モノの絡まり合いをテーマとした作品制作を行う。とりわけ近年は「自然」の定義を「人間のアクティビティーの彼岸」として捉え、都市の持つ器物性と共異体としての性質に着目し、様々なメディアを用いて作品を展開している。東アジア特有の思想である山水をテーマに、現代の芸術と社会について考えるコレクティブ「山水東京」のメンバーとしても活動。近年の個展に、「東下り」(WAITINGROOM、東京、2019)、「鏡と穴-彫刻と写真の界面 vol.3 水木塁」(gallery αM、東京、2017)、グループ展に、「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(東京都写真美術館、2022)、「ON―ものと身体、接点から」(清須市はるひ美術館、愛知、2022)、「constellation #02」(rin art association、群馬、2021)など。
Information
HAPS KYOTO selection #3 水木塁「若者のすべて -路上の花」
会期:2023年12月2日〜2024年1月13日 |