水平のたよりは気泡ひとつ

　「水平器」とは、“水平は重力方向に対して直角の方向である”という原理を利用し、「もの」の水平を測るために使われている道具である。「水準器」とも呼ばれ、古代エジプトから同様の仕組みで水平を測っていたとも言われている。

　形はとてもシンプルで、水平の目印となるのは湾曲した管の中にある気泡のみ。気泡の動いた方向が傾斜の高い方向、動いた量が傾斜の大きさを示す。そして、気泡が気泡管の中央にきた位置が「水平」。

　管の中に使われているのは、ただの水ではない。気泡の動きを敏感にするために、アルコールやエーテルといった粘性の小さい液体を使用している。シンプルな構造の中で、精密に水平をとるための様々な工夫が施されているのだ。

「OIL」で買って「OILの水平器」で飾る

　水平器を使った作品の飾り方もとてもシンプル。額縁やパネルの上に水平器を置き、気泡管の中心に気泡がくる位置をみつける。

　そして、水平が定まった位置に、あらかじめ用意しておいたマスキングテープなどで、作品の角がわかるように目印をつければ良い。あとは、その目印に合わせて作品を取り付けるだけ。

　作品の飾り方に、特別なルールはない。自分自身が好きな場所へ、好きな作品を飾ることが大切だ。しかし、感覚ではなく、正確な「水平」を測り、作品を飾ることで、作品本来の魅力がさらに増すことになるだろう。

　「OIL by 美術手帖」で作品を”手に入れる”楽しみと共に、”飾る”楽しみを届けたい、そんな思いからオープン記念として制作した、オリジナル水平器。古くから変わらぬ原理で使われてきた道具のシンプルさ、そして潔さを体現したオールクリアの「OILの水平器」で、より深く、目の前にあるアート作品との出会いを味わってほしい。

編集部