2025年1月にLOWWで開催された展覧会「影の中の輝き ETUDE 25 to 48 L’éclat dans l’ombre」からの作品。

これらの写真は櫻井啓裕によって2002年にパリで撮られたもので、とあるオートクチュールとプレタポルテのコレクションのバックステージ風景です。当時、友人が働いていたオートクチュールのショーに参加した時のスナップがきっかけとなり、バックステージ撮影のオファーを受けて撮影された記録用以外の写真群が本作品です。プレタポルテのショーも同様、全盛期のカーテスティン・オーウェンの物憂げな横顔などが収められています。

被写体のモデルからは、自らを表現しようとする鮮烈な強さが、バックステージの高揚感や緊張感が入り混じる独特な空気の中に、浮遊するような違和感を伴って表れています。

25歳の時に撮影した写真が48歳になった今、作品として結実しました。本展では当時、櫻井自身が手焼きしたオリジナルプリントを高解像度プリントで展示しています。23年という期間と極めて個人的な記憶をナラティブに可視化することで、両者を対比しながら時間の変化に向き合うように紹介します

*本作品は展覧会後に見つかったオリジナルネガによる銀塩プリントになります。

櫻井啓裕
90年代後半にパリのファッションスクールへの留学のため渡仏。2000年に一時帰国後、独学で写真を始める。2001年に再度渡仏。友人が働く某メゾンのコレクションに参加した際に撮影した写真がきっかけで、正式にランウェイのバックステージを撮影。記録用写真とは別に撮影した作品群を本展「影の中の輝き -ETUDE 25 to 48-」として発表した。

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