イタリア人デザイナーであり、アーティストで建築家、映画製作者、編集者、音楽家、漫画家、そして教師のウーゴ・ラ・ピエトラ（Ugo La Pietra）による作品集。作者が生んだ出版物を辿る本書は、アーティストや仲間達と作者との間で交わされた長い往復書簡から始まる。その相手は、デザイナーであるヴィコ・マジストレッティ（Vico Magistretti）、建築家のアドルフォ・ナタリーニ（Adolfo Natalini）、フォトグラファーのフランコ・ヴァッカーリ（Franco Vaccari）、アーティストでありデザイナーのエンツォ・マーリ（Enzo Mari）などの面々が並んでいる。本書は、作者が手がけてきた刊行物を共有することによって、アイデアや考えを循環させることを目的としている。

活動初期、イタリアやオーストリアの「ラディカル運動」を代表する建築家集団の一員でもあった時代の展覧会、アートやデザインの研究、1970年代の実験的な「degrees of freedom」、「design reconversions」、「Interior/Exterior」、そして忘れてはならない「Tissural Structures」、新たな生活領域へと歩みを向けた身体的でありながらテレマティックな旅路に至るまで、1965年から現在までの活動に付随して手がけてきたカタログを紹介する。

経験してきたことを集めてさまざまなテーマを掘り下げた作品あれば、無作為かつ破壊的な行動を用いることによって居住する場所を作った作品もある。一冊の本は、デザインやメタプロジェクトの提案を書き写すのに最適な媒体であるだけでなく、作者の先鋭的な理論や芸術を研究する上の出発点でもある。

最後は、作者が雑誌へどう関わったかに触れて締め括られている。雑誌は、コラボレーション、共同デザイン、カウンター・プロジェクト的かつ政治的思想を拡散し流通させること可能にした、おそらく作者の仕事の中で最も実験的で先鋭的な側面であるだろう。

イタリア語、英語併記。