¥ 12,100 (税込)
スイス人アーティスト、マックス・ヴィーダーケーア(Max Wiederkehr)の作品集。ヨゼフ・アルバース(Josef Albers)やマックス・ビル(Max Bill)らが傾倒したコンクリート・アートから幾何学を、カウンターカルチャーの運動から実験芸術を学んだ作者の色彩豊かな作品は、ハイカルチャーとローカルチャーを融合させたものとなっている。
最初に自身の突破口を発見した際、作者は当時の芸術界を否定し、代わりに新興であったサブカルチャーを受け入れていた。コミックや絵画を描き、ポップアート、オプアート(オプティカルアート)の要素を融合させ、時折展覧し、はたまた幾何学的な表現の影響を受けていた。屈折しながらも、やがて幾何学表現を超え、計算されたものと直感的なものが生む魅惑的な相互作用、知的なものと尖ったものを合わせることによる驚くべき表現の融合を発展させていった。当時にしてみたら考えられないことであるが、2つのチューリヒにおける流派、幻想絵画(the fantastical / Wahnwelten / hallucinatory worlds)とコンクリートアートの間にある接点の中で活動し、同時に2つのユニークな存在の橋渡しをし、鍛造し融合していた。
「アウトサイダー」と呼ばれることに愕然したであろうマックス・ビル、ヴェレナ・レーヴェンスベルク(Verena Loewensberg)、ゴットフリート・ホーネガー(Gottfried Honegger)や、「アウトサイダー」に近かったとされる作者とを比較するのは非常に愉快で新鮮な視点であろう。一方で、フリードリヒ・クーン(Friedrich Kuhn)が、そのままの意味で言うと「家と角(houses and corners)」、すなわち比喩的に言うと「箱と角度(boxes and angles)」と呼んだ「Hüsli-Eggli」の端正な身なりの画家たちと、他方では「Stadtindianer」と呼ばれた急進的な左翼(イタリアの鉛の時代における「インディアーニ・メトロポリターニ(Indiani Metropolitani)」に対応するドイツの派閥活動)と比較するのもいいかもしれない。
近年、作者の遺品への接触が可能になったことで、文化的体系の外側に位置していた一人の作家の全作品が明るみに出たが、その「オフサイド」なポジションは決してアウトサイダー・アートではなかった。作者は、裏を表返し、表を裏返していただけで、近代性を徹底的に熟知していたのである。
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取り扱い | twelvebooks |
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サイズ | 31.5 x 24.0 x cm |
重量 | 1.0kg |
商品コード | 1100043557 |
出版 | EDITION PATRICK FREY |
著者 | Max Wiederkehr |
ISBN | 9783907236727 |
配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
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送料 | ¥770(税込) |
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