2020年5月に逝去したクリストの、直筆サイン入りの展覧会ポスターです。

本作「Wraped Reichtag」は、ドイツの国会議事堂「ライヒスターク」を梱包したプロジェクトです。冷戦から東西ドイツの統合にいたる歴史的な変動とともに、プロジェクトのための交渉も長期化し、24年間の歳月をかけてプロジェクトの実現に時間が費やされました。

※デッドストック商品につき、折れ皺あり（サイン部分）がございます。

CHRISTO AND JEANNE-CLAUDE

歴史的建造物などをまるごと布で梱包し、景観を変貌させる世界規模の大規模プロジェクトで、20世紀後半以降のアートシーンで数々の重要な仕事を遺した、クリストとジャンヌ＝クロード（Christo、1935年生まれ2020年没／Jeanne-Claude 、1935年生まれ 2009年没）。2人は58年にパリで出会ったのち、共同で創作を開始。瓶や椅子などの日用品を「梱包」する作品を60年代初頭から開始した二人は、その後巨大なモニュメントや歴史的建造物、自然そのものや公園までを布で梱包する作品を生涯に亘って発表しました。世界各地での作品の発表を続ける中で、1991年には日米同時に3,100本の傘を開花させるプロジェクト「アンブレラ 日本－アメリカ合衆国、1984-91」が行われ、日本国内では初のクリストとジャンヌ＝クロードによるプロジェクトとなりました。

それぞれのプロジェクトにかかる巨額の費用を、美術館や政府や企業などから一切の援助を受けることなく、彼ら自身で賄ったという彼らのポリシーも良く知られるエピソードです。プロジェクトの完成を予想したドローイングやコラージュ作品など、クリストの手によるオリジナル・アート作品の販売からプロジェクト資金が集められ、アーティストと支援者、オーディエンスとの協働によって数々の作品が生み出されました。

彼らの手掛けたプロジェクトは、約２～３週間の期間を経て解体されてしまうものが大半でした。そのため、それぞれの作品存在を未来に示し続けるものとして、作品をドキュメントするという行為も彼らは制作の一部として取り組んでいたため、豊富な制作資料や記録写真をのこしました。ポスターや印刷物は、現存しないクリスト＆ジャンヌ＝クロードプロジェクト作品を伝える重要な資料として存在しています。