日本人写真家、北井一夫の作品集。作者は本最新作で自身の実践を更新する。これまでの記録写真における、撮影、現像・プリント、保存、提示へと巡ってきた制作のサイクルの行き着く先に立ち、アーカイブされたイメージを変換する。こうして、感覚と身振りに根ざした新たな読みを示し、創作行為そのものを問い直す。

本シリーズで作者は、自身の写真アーカイブに立ち戻る。緊張を帯びた身体、行進する群衆、抵抗の断片。1960年代の日本における抗議運動の記録で知られる作者は、これらのイメージをラディカルな所作によって再起動させることを選ぶ。

ゼラチン・シルバー・プリントを裂き、絵具で覆うことで、写真は物質へと置き換えられる。記録は抽象へと転じ、イメージは文字とペインティングのあいだに位置するハイブリッドな形式のための支持体となる。本作は作者の実践における決定的な転換である。その主題はもはや証言ではなく、再解釈にある。

白黒の写真には、ヘルメットを被った男たちや労働者、警察官、学生、人の気配の宿る街路、宙吊りの物体が現れる。作者はそれらに鮮やかな色を重ね、「い」「ろ」「は」の文字を書き入れる。これは伝統的な仮名の配列の冒頭であり、ラテン文字における“ABC”に相当する基本形である。また、“1, 2, 3”というカウントダウンは、原点へ回帰する姿勢を際立たせている。

本書は、記憶、絵画的な身振り、そして過去の実践とその更新とが交わる点に立った、書籍のかたちをとったマニフェストである。

プレオーダー *12月入荷予定

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¥ 9,350 (税込)

日本人写真家、北井一夫の作品集。作者は本最新作で自身の実践を更新する。これまでの記録写真における、撮影、現像・プリント、保存、提示へと巡ってきた制作のサイクルの行き着く先に立ち、アーカイブされたイメージを変換する。こうして、感覚と身振りに根ざした新たな読みを示し、創作行為そのものを問い直す。

本シリーズで作者は、自身の写真アーカイブに立ち戻る。緊張を帯びた身体、行進する群衆、抵抗の断片。1960年代の日本における抗議運動の記録で知られる作者は、これらのイメージをラディカルな所作によって再起動させることを選ぶ。

ゼラチン・シルバー・プリントを裂き、絵具で覆うことで、写真は物質へと置き換えられる。記録は抽象へと転じ、イメージは文字とペインティングのあいだに位置するハイブリッドな形式のための支持体となる。本作は作者の実践における決定的な転換である。その主題はもはや証言ではなく、再解釈にある。

白黒の写真には、ヘルメットを被った男たちや労働者、警察官、学生、人の気配の宿る街路、宙吊りの物体が現れる。作者はそれらに鮮やかな色を重ね、「い」「ろ」「は」の文字を書き入れる。これは伝統的な仮名の配列の冒頭であり、ラテン文字における“ABC”に相当する基本形である。また、“1, 2, 3”というカウントダウンは、原点へ回帰する姿勢を際立たせている。

本書は、記憶、絵画的な身振り、そして過去の実践とその更新とが交わる点に立った、書籍のかたちをとったマニフェストである。

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取り扱い twelvebooks
サイズ 31.5 x 24.0 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100049086
出版 CHOSE COMMUNE
著者 Kazuo Kitai
ISBN 9791096383566
配送までの期間 プレオーダー *12月入荷予定
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件