FUNGI
2025
¥ 13,200 (税込)
デンマーク人ヴィジュアルアーティスト、ニコライ・ホワルト(Nicolai Howalt)の作品集。
本書は、肉眼ではほとんど知覚されない一方で、太陽光や酸素と同様に地球上の生命に不可欠な領域である菌類の世界を見つめる。芸術的実験と科学的探究の交差点に立ちながら、作者は複数の菌類を創作および写真制作のプロセスに取り込み、これらの謎めいた生物そのものが、作品の視覚的・物質的な帰結に直接作用することを可能にしている。
遮光された箱の内部で、作者は選定した菌類の胞子を未露光のアナログ印画紙に直接培養した。菌類は印画紙表面のゼラチン層を栄養源として摂取し、感光乳剤の一部を侵食する。その痕跡は暗室で現像されることで初めて可視化される。こうして生まれたのは、菌類自身によって生成されたフォトグラムの連作であり、紙の緩やかな劣化を通じて、繊細な菌糸体のネットワークが立ち現れる有機的な構成である。
別のプロセスでは、胞子をシャーレ内で慎重に培養し、高解像度でスキャンすることで、通常は目に触れることのない、菌類の形態と色彩から成る鮮やかな微視的世界を明らかにしている。さらに作者は、菌類を紙のように薄い層へと成長させ、数か月かけて乾燥させる手法にも取り組む。乾燥後、これらの脆く半透明なシートは、暗室において唯一無二の菌類ネガとして用いられる。
各イメージは、人間の意図と人間以外の作用主体との間に生じる、静かな対話として展開される。感光紙の上で一時的に営まれた生命の痕跡、栄養と侵食によって形成された痕、成長と崩壊、存在と消失のはざまに残された儚い刻印である。
生態系の均衡、医療、持続可能な技術革新の未来において、菌類の重要性があらためて認識されつつある現在、本書は作者の実験的作品群を一冊にまとめた詩的かつ触覚的な造本として構成されている。ブックデザインは受賞歴を持つラスムス・コッホ・スタジオ(Rasmus Koch Studio)が手がけ、印刷はナラヤナ・プレス(Narayana Press)が担当。テキストはライターのモーテン・ソンダーガード(Morten Søndergaard)と菌類学者のヘニング・クヌーセン(Henning Knudsen)が担当。
本書は、科学的な図録でも植物学のマニュアルでもなく、菌類とそれが生命や物質の形成に果たす役割についての、詩的かつ視覚的な省察である。標本の記録にとどまることなく、ホワルトは菌類を創作の過程に直接的かつ触知的に組み込み、共創的な存在として扱っている。本作は科学と芸術の境界を横断し、実存的エコロジー、時間、写真の現象学、さらには菌類学の歴史に関わる問いに触れていく。変容と共存、イメージ生成のプロセス、そして生きた有機体がもたらす予測不可能な美学についての考察である。
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| 取り扱い | twelvebooks |
|---|---|
| サイズ | 22.5 x 16.5 x cm |
| 重量 | 1.0kg |
| 商品コード | 1100050287 |
| 出版 | FABRIK BOOKS |
| 著者 | Nicolai Howalt |
| ISBN | 9788797425305 |
| 配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
| カテゴリー | |
| 送料 | ¥770(税込) |
| 購入条件 |