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フランス系ブラジル人画家、理論家、建築家であるセルジオ・フェロ(Sérgio Ferro)の作品集。1970年代初頭に書かれた「Design and the Building Site」は、作者の著作の中で最も影響力の強い理論的な作品である。1964年に軍事クーデターでブラジルが軍事政権の統制下に置かれ、1970年には積極的なレジスタンスに関与したとして逮捕、投獄された作者は、軍事独裁政権から逃れてフランスに亡命した。このエッセイは、フランスに到着した直後に書かれたものであり、ブラジリアでの過酷な建設現場との出会い、1960年代に活動したサンパウロの建築家グループ「Arquitetura Nova」のメンバーとしての経験、雑誌『Teoria e Prática』の編集メンバーとしての仕事、そして刑務所で過ごした1年間、建設労働者と深めた親交や、フロイトの考えに触れたことなど、作者が残したものの多くを反映している。本書は、資本主義下の建築生産に対する批評を構成しており、建築生産における政治経済と現代の建築実践に対するその影響を追っている。初版が刊行されてから半世紀の時を経て、資本主義の世界において最大の危機に直面している今、これほどまでに切迫し、適切な形で行動を呼びかけているものはないだろう。

本版では、作者のエッセイの前後にテキストを用いて背景を整理、拡張することで、その主張が関与している文脈的かつ理論的な要素を明確にしている。初めて英語版として刊行された本書のために作者が書き下ろした序文では、ブラジリアの建築現場に対峙した時から「Arquitetura Nova」での実験的な活動に至るまでに歩んできた旅路や、これまでほとんど触れたことのなかったポストモダニズムというトピックが語られている。中盤に収録されている「Production of Houses in Brazil(ブラジルにおける住宅生産)」(1969年)では、一般的なセルフビルドから高級住宅、大衆消費市場においてまで、ブラジルの住宅を分析しながらも歴史的なレポートとしてあり、また同時に他の文脈における建築生産の社会的な関係を読み解くための青写真を我々にもたらしている。終盤に掲載されている近年の未発表エッセイ「Against the Grain」(2023年)では、建築モダニズムを19世紀の折衷主義(エクレクティシズム)におけるヘーゲルの「規定的否定」として解釈している。

本書に収録されたテキストは、同じく「MACK」から刊行された前作「ARCHITECTURE FROM BELOW: AN ANTHOLOGY」で紹介された理論をより深く追究するものであり、今日の建設者、思想家、そして建築家にとって挑戦的かつ要となるアイデアを幅広くもたらす一冊である。

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DESIGN AND THE BUILDING SITE AND COMPLEMENTARY ESSAYS

2025

¥ 7,040 (税込)

フランス系ブラジル人画家、理論家、建築家であるセルジオ・フェロ(Sérgio Ferro)の作品集。1970年代初頭に書かれた「Design and the Building Site」は、作者の著作の中で最も影響力の強い理論的な作品である。1964年に軍事クーデターでブラジルが軍事政権の統制下に置かれ、1970年には積極的なレジスタンスに関与したとして逮捕、投獄された作者は、軍事独裁政権から逃れてフランスに亡命した。このエッセイは、フランスに到着した直後に書かれたものであり、ブラジリアでの過酷な建設現場との出会い、1960年代に活動したサンパウロの建築家グループ「Arquitetura Nova」のメンバーとしての経験、雑誌『Teoria e Prática』の編集メンバーとしての仕事、そして刑務所で過ごした1年間、建設労働者と深めた親交や、フロイトの考えに触れたことなど、作者が残したものの多くを反映している。本書は、資本主義下の建築生産に対する批評を構成しており、建築生産における政治経済と現代の建築実践に対するその影響を追っている。初版が刊行されてから半世紀の時を経て、資本主義の世界において最大の危機に直面している今、これほどまでに切迫し、適切な形で行動を呼びかけているものはないだろう。

本版では、作者のエッセイの前後にテキストを用いて背景を整理、拡張することで、その主張が関与している文脈的かつ理論的な要素を明確にしている。初めて英語版として刊行された本書のために作者が書き下ろした序文では、ブラジリアの建築現場に対峙した時から「Arquitetura Nova」での実験的な活動に至るまでに歩んできた旅路や、これまでほとんど触れたことのなかったポストモダニズムというトピックが語られている。中盤に収録されている「Production of Houses in Brazil(ブラジルにおける住宅生産)」(1969年)では、一般的なセルフビルドから高級住宅、大衆消費市場においてまで、ブラジルの住宅を分析しながらも歴史的なレポートとしてあり、また同時に他の文脈における建築生産の社会的な関係を読み解くための青写真を我々にもたらしている。終盤に掲載されている近年の未発表エッセイ「Against the Grain」(2023年)では、建築モダニズムを19世紀の折衷主義(エクレクティシズム)におけるヘーゲルの「規定的否定」として解釈している。

本書に収録されたテキストは、同じく「MACK」から刊行された前作「ARCHITECTURE FROM BELOW: AN ANTHOLOGY」で紹介された理論をより深く追究するものであり、今日の建設者、思想家、そして建築家にとって挑戦的かつ要となるアイデアを幅広くもたらす一冊である。

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取り扱い twelvebooks
サイズ 22.5 x 16.5 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100046619
出版 MACK
著者 Sérgio Ferro
ISBN 9781915743497
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件