スイスのバーゼル出身建築家ユニット、「ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron / HdM)」の作品集。

本シリーズ『THE COMPLETE WORKS』は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンのプロジェクトにおけるスケールおよび制作プロセスの両面で変化していく姿を記録するものであり、第1巻から第6巻までで構成されている。各書は、実践の中核に最も近い位置にある、正確な一次出版物として、作品を同時代的文脈の中で提示している。

第1巻〜第3巻(1996年、1997年、2000年刊)では、よりアナログな制作手法と工程が主流を占めている一方、近年の第4巻〜第6巻(2009年、2018年、2020年刊)では、デジタルツールや設計技術への展開が明確に現れている。プロジェクトチームが選定した図版およびプロセス資料をもとに、編集チームが物語的な構成を組み立て、特定の側面を際立たせながら、プロジェクトがどのように展開していくのかを示している。

第1巻である本書は、建築実践の最初の11年間を記録している。1978年から1988年にかけてのこの時期には、その後の主要プロジェクトの基盤となる方法論が形成された。バーゼル近郊に建つ「ブルー・ハウス」に見られるように、自然との関係性を想起させるイメージを特徴とする建築がある一方で、外観、機能、構造が一致するほど凝縮された設計も、ほぼ同時期に展開されている。ラウフェンに建設されたリコラ社(Ricola)の倉庫は、重ねられたエタニット・パネルによる外皮を備え、その代表例である。

最初の10年間におけるもう一つの中心的主題は、素材に対する根本的な再評価である。バーゼル近郊の庭園住宅では、内外装のすべてに異なる種類の合板が用いられ、リグーリア州タヴォレ(Tavole)に建つ集合住宅では、外壁が採石場の石材を層状に積み重ねた構成となっている。バーゼルの研究施設では、構造体から部分的に分離したガラスの外皮が計画され、ギャラリー空間を併設する集合住宅では、コンクリートの多様な用法が建築の成立を支えている。これら初期作品においてすでに、ファサードの造形に対する明確な関心が認められる。都市計画的な視点への関与は、1987年から1992年にかけて、オーストリアの建築家、アドルフ・クリシャニッツ(Adolf Krischanitz)およびドイツの建築家、オットー・シュタイドル(Otto Steidle)と協働して設計・実現した、ウィーン郊外のピロテンガッセ集合住宅において初めて明確に表出した。

急速に変化する現代において、特定の場所と用途に即して思考する実践的姿勢は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンの建築的言説を特徴づける要素であり、本書では複数の理論的寄稿によって支えられている。主要プロジェクトはそれぞれ詳細に紹介され、巻末付録には、1978年から1988年までの全47作品について、技術的情報および書誌情報を含む正確な年譜が収録されている。

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ヘルツォーク&ド・ムーロン

HERZOG & DE MEURON 1978-1988. THE COMPLETE WORKS. VOLUME 1 [ENGLISH / GERMAN EDITION]

1997

¥ 30,800 (税込)

スイスのバーゼル出身建築家ユニット、「ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron / HdM)」の作品集。

本シリーズ『THE COMPLETE WORKS』は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンのプロジェクトにおけるスケールおよび制作プロセスの両面で変化していく姿を記録するものであり、第1巻から第6巻までで構成されている。各書は、実践の中核に最も近い位置にある、正確な一次出版物として、作品を同時代的文脈の中で提示している。

第1巻〜第3巻(1996年、1997年、2000年刊)では、よりアナログな制作手法と工程が主流を占めている一方、近年の第4巻〜第6巻(2009年、2018年、2020年刊)では、デジタルツールや設計技術への展開が明確に現れている。プロジェクトチームが選定した図版およびプロセス資料をもとに、編集チームが物語的な構成を組み立て、特定の側面を際立たせながら、プロジェクトがどのように展開していくのかを示している。

第1巻である本書は、建築実践の最初の11年間を記録している。1978年から1988年にかけてのこの時期には、その後の主要プロジェクトの基盤となる方法論が形成された。バーゼル近郊に建つ「ブルー・ハウス」に見られるように、自然との関係性を想起させるイメージを特徴とする建築がある一方で、外観、機能、構造が一致するほど凝縮された設計も、ほぼ同時期に展開されている。ラウフェンに建設されたリコラ社(Ricola)の倉庫は、重ねられたエタニット・パネルによる外皮を備え、その代表例である。

最初の10年間におけるもう一つの中心的主題は、素材に対する根本的な再評価である。バーゼル近郊の庭園住宅では、内外装のすべてに異なる種類の合板が用いられ、リグーリア州タヴォレ(Tavole)に建つ集合住宅では、外壁が採石場の石材を層状に積み重ねた構成となっている。バーゼルの研究施設では、構造体から部分的に分離したガラスの外皮が計画され、ギャラリー空間を併設する集合住宅では、コンクリートの多様な用法が建築の成立を支えている。これら初期作品においてすでに、ファサードの造形に対する明確な関心が認められる。都市計画的な視点への関与は、1987年から1992年にかけて、オーストリアの建築家、アドルフ・クリシャニッツ(Adolf Krischanitz)およびドイツの建築家、オットー・シュタイドル(Otto Steidle)と協働して設計・実現した、ウィーン郊外のピロテンガッセ集合住宅において初めて明確に表出した。

急速に変化する現代において、特定の場所と用途に即して思考する実践的姿勢は、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンの建築的言説を特徴づける要素であり、本書では複数の理論的寄稿によって支えられている。主要プロジェクトはそれぞれ詳細に紹介され、巻末付録には、1978年から1988年までの全47作品について、技術的情報および書誌情報を含む正確な年譜が収録されている。

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取り扱い twelvebooks
エディション ENGLISH / GERMAN EDITION
サイズ 33.5 x 24.5 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100049765
出版 BIRKHÄUSER
著者 Herzog & de Meuron
ISBN 9783764356163
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件

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